<地域で物語り創出>の顕在化、光をあてたい 塩博文編『旅する阿寒』
<地域で物語り創出>の顕在化、光をあてたい 塩博文編『旅する阿寒~松浦武四郎も歩いた阿寒の古道探訪~』 クスリ凸凹旅行舎2018年。

観光ガイドボランティアの自営業を立ち上げた編者が、10年来、蓄積してきた阿寒湖畔を軸にした「阿寒クラシックトレイル」を提唱し、「新しい旅を創ります」と提案している。

本書は「阿寒クラシックトレイル」を構造的に示そうと、様々な仕掛けとその展開ステージを紹介している。
3つのセクション「里の道」「川の道」「山湖の道」を設け、そこに松浦武四郎と前田正名の思想と哲学を組み合わせて立体化している。時間・空間・人間を活き活きさせようとすえう試み。

その構想と運用の経験が、この本には表明されている。そういうことで拙稿「前田正名論 徳島県民の阿寒郡移住」(講演筆耕)も掲載されている。

「豊かな自然」。そう言われて久しい北海道。しかし、その自然を愉しむ、楽しみ方は未成熟。
その領域に編者は、果敢に取り組もうと試みている。

<地域で物語り創出>の顕在化、光をあてたい 塩博文編『旅する阿寒』 クスリ凸凹旅行舎の一冊。価格900円+税額 釧路市内書店に在庫。