詞の秀逸、少女合唱曲の旋律 「二つの時期で有名 美しき天然」『名曲アルバム NHKE』210103
詞の秀逸、少女合唱曲の旋律 「二つの時期で有名 美しき天然」『名曲アルバム NHKE』210103

 ニッポンの四季とその美を。
 音曲には自然をたたえる美麗な詩句と「少女趣味」という称えられるメロデーが、魅了してきた。そうではないだろうか。
 「空にさえずる鳥のこえ」と自然の奥行きを示す一首目もさりながら、
 「春は桜のあや衣 秋はもみじの唐錦(からにしき)」の二首目、<ニッポンの四季>の彩りを示して、秀逸。そう受け止めてきた。

 220103NHKBS「名曲アルバム」は、「国民に二度愛された名曲」としてこの曲をとりあげる。
 国民に愛された最初は、女学校教諭を務めた作曲者の曲に込めた思い。
それは、「は明治時代、女学校で愛唱された合唱曲」。もの悲しげな旋律は女子学生の、そして国民のハートを捕らえたと、される。
 
 国民に愛された二度目。
 それは作曲者・田中穂積の死語に、サーカスの歌、ちんどん屋のメロデーで復活する。
 田中の故郷は山口県岩国市。錦川に架橋された錦帯橋を、現代の「ちんどん屋」が川面を渡る風にメロデーをのせて通過する。

 曲に大きな支持。
 その要因の一は、当時まだ新手法であった「ワルツ」の軽快さを表現したことであった、と。
 作曲者自身が「当時の楽譜には『ワルツのテンポで』と記されており」と紹介され、「日本初のワルツとして紹介されることが多い」とする。
 
 番組は曲に秘められた「名曲のエッセンス」。「楽曲の持つ魅力と迫力が見事につまった “結晶の5分”」とも、言えそう