真山仁著「横溝正史」
 」。聞いたことはあるも、読んだこともなくなじみがうすい。

 『獄門島』、『八つ墓村』、『犬神家の一族』といえば、テレビドラマやテレビを通じた放映で眺める機会があるも、全部を眺めた記憶はない。

 『獄門島』が描いたのは「敗戦の傷根が残る日本」(22p)、「日本人の心情がヒタヒタと読者の心の奥底に染み込んでいきます」(23p)と、真山は評する。

 横溝の半生において意図したものは、「日本ならではの探偵小説を書きたい」(32p)ということであったか。

 主題となる主人公・金田一耕助について横溝は、「日本人が背負った業や宿命を解きあかす役回り」とする(44p)。然らば、「背負った業や宿命」とは、なにか。答えを書中から探しているのである、が(書きかけ中)。