野坂昭如著『「終戦日記」を読む』
野坂昭如著『「終戦日記」を読む』。私日記から昭和20年8月6日から昭和23年暮れまでの世相を読み解く。

 公になっている私日記というものが、多いものだと実感した。8月6日ー8月15日は、メディアに報じられる内容も制限されている。
 この間、表にはすることのなかった、時代観、戦局観、生活の細部が記載されている。

 混乱は敗戦で終わらなかった。百人いると百の歴史があるというが、統制下での国民生活を垣間見るに、意味ある記載が少なくない。

 本書は2002年に刊行された。このたび読みかえしながら、私日記が文化遺産なのだとあらためて、実感したが。(日本放送出版協会 2002年)