松谷みよ子著『現代の民話』
 松谷みよ子著『現代の民話』。戦争や公害、学校での怪談。我が国で長く語り継がれてきた民話は、それぞれの時代には「現代の民話」ではなかったかと、著者は問う。

 現代の民話を聞き取ろうとするとき大切なのは、「あなたも語り手、私も語り手という視点ではないか」と、著者は考える。

 書きなおされた。著名なのは「足りぬ足りぬは工夫がたらぬ」を、「足りぬ足りぬは夫がたらぬ」。
 「ぜいたくは敵だ」のビラにはすかさず、「ぜいたくはすてきだ」。
 近道を作ってバス停にかけつける女子大生。「急がばまわれ」の張り紙をなにするもの。たちまち、「急がばまくれ」。

 著者は意図する。「(私が)いくら全国を歩き、耳をかたむけても、話の数は限られ、所詮は点にすぎない。なんとか点にできないか、面にできないか」。
 ハガキで読者に投稿をお願いしている。裾野を広げる努力は、体系をつくりだした。(日本放送出版協会 2000年)