洛中洛外図屏風
 洛中洛外図屏風。黒田日出男著『謎解き日本史・絵画史料を読む』を読み続けてきたが。

 教科書でおなじみ「伝源頼朝」図が、なぜ「伝」と呼ばれるようになったのか。

 図版などでおなじみの『洛中洛外図屏風』。博物館学のテキストでは、その豊富な情報量が注目されていたが、本著は、その作成意図を明らかにする。

 本図作成の意図。徳川和子が後水尾天皇のもとに腰入れする入内の図かと、読み解く。とりわけ図の一点=林原美術館本は岡山池田家旧蔵本であるだけに(123p)、推定以上に妥当性をもつのでは、とする。