廻り地蔵 山形
 NHK朝のテレビは、「日本の仏像」。各地の大仏もあるが、今朝は民家を送り迎えされる庶民の信仰。

 青年が箱を背負って、あぜ道を歩いていた。前後には旗をかかげた人が、前に後ろに守るようにして。

 「廻り地蔵」。仏像はおよそ500軒の家々をまわる。一軒の家には7日前後滞在するというから、一巡するには10年そこそこを要するのだそうだ。

 生涯のうちに2度、3度と迎えると、そのたびに「良いことがある」という。

 青年といっても、一家の家長なのかもしれないが、ひたむきに送り、これまで何周もしている仏像を、メディシンボールの送り手のように、その責を果たす。

 ただこの伝統信仰に、難しい面もある。農業経営体の減少。相続の担い手が少なくなっているのだという。輪は、いくぶん小回りを余儀なくされている。