忘れたまふな 万葉集
 10月2日、朝の「ひめくり万葉集」。
「我が背子が 帰り来まさむ 時のため 命残さむ 忘れたまふな 狭野弟上娘子 (巻15・3774)」

 役人世界。流刑にあって都から越前に送られていた夫の元に、連れ合いが送った。

 その期間に残した63首が『万葉集』に収録されているという。不在の期間に短歌が残った。しかも、その多くが秀歌として後世に伝えられた。

 歌を作ることが、二人の空白の時間を埋め、つないだか。歌の力。表現は暮らしをささえる、か。