橋下改革劇場の舞台裏
「橋下改革劇場の舞台裏」。雑誌『世界』10月号で、横田 一氏が書いているのを、読んだ。「道路やダムにメスを入れない『改革派』」のサブタイトルが、ある。

 雑誌投稿は、新聞報道などでは紹介されていない影の部分や、密着取材で番記者には自明のことであっても、「報道上の取り決め」をタテに報道されない裏面が取り上げられている。新聞の提示する価値観に目が吸い寄せられてしまう。新聞では、知らされない側面があるということだ。
 本題のような投稿を読むと、やはりニュースソースは多様でなければと、思う。

 橋下知事は先日も、文学資料館の職員がどんな働きをしているのかと、私設秘書にビデオカメラ撮りをさせていたことが、紹介された。結論は文学資料館は利用者も少なく、「不要施設なのでは?」という、橋下知事ならではの世論誘導ということではなかった、か。

 市民むけの文化、教育、福祉には大ナタを振るい、いかにも改革派を標榜し、「大新聞もそのことを持ち上げているが」と、横田氏は問題提起。

 一方で、ダム建設や大型公共工事には、手をつけようとしない国や経済界への追従。知事になる前の言動は私人としてもので、知事は公人だからと言う。それは当然だが、環境問題や公共工事関連では私人時代の主張とは、相容れない発言が公人としておこなわれると懸念する。

 バライティ番組で顔を売り、圧倒的強さで当選した橋下知事。横田氏の主張点に、ここはテレビではなく、雑誌『世界』誌上で見解を述べられてはいかが?。もちろん、編集者をして掲載を正当化せざるを得ない論点で、お願いしたい。