「ワサビ(山葵)」


 通年で出回っているワサビ(山葵)

でも、卸したての新ワサビには春の訪れを感じる格別の清涼感がありますね。

 ワサビは徳川家康も愛好したと言われれ、大御所として駿府にいた頃には、門外不出の御法度品にもなっていたそうです。

 日本食によく合うワサビと並ぶ香辛料にカラシ(芥子)があり、辛味の性質は全く異なる気がしますが、ワサビとカラシは同じアブラナ科の植物で、辛味成分も同じ物質(アリルイソチオシアネート)だそうです。
ただ、ワサビにはグリーンノートという香り成分が含まれており、これが風味の違いを生み出しているようです。

 ワサビは特別の肥料や手間を必要としないのですが、競争力が弱く、天然のものはあまり大きくなりません。土壌を殺菌し、他の植物を寄せ付けない効果がある”アリルイソチオシアネート”を土中に出すワサビは、その効果のため自身の成長も阻害されます。

 それ故、生食用の沢ワサビは、常に新鮮な水が流れ、”アリルイソチオシアネート”が土中に留まらない水はけの良いところで大きく育てられます。
尚、人間も”アリルイソチオシアネート”が原因で急性中毒症をおこすケースがあるそうです。

 ちなみに、チューブ入りワサビの原料には、本ワサビの他に西洋ワサビ(ホースラディッシュ、ワサビダイコン)を緑色に着色したものが用いられており、本ワサビの量が50%以上あれば「本わさび使用」、50%未満であれば「本わさび入り」と表示されてます。

 ワサビには、神経細胞の再生を促し記憶力や学習能力を改善させ、認知症予防に効果があるとされ、最近では花粉症の症状を抑える働きでも注目されています。