「新茶初取引」
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新茶の初取引が先月15日朝、静岡茶市場で行われたそうですが、ことしは茶の芽伸びが早く、前年より8日、1956年の茶市場開設以来、最も早かったそうです。

”夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る・・・”「茶摘み」の歌詞からも感じる”初夏の趣”、春と夏が少しずつ入れ替わってゆく季節ですね。

お茶はもともとが「養生の仙薬、延齢の妙術」として飲まれており、科学が進歩した現代においても様々な効用がうたわれていますが、さわやかに香りたつ新茶は旬の味わいとともに「無病息災長寿目出度の茶」の縁起物として珍重されてきました。

長らく抹茶のみだった日本茶文化にあって、葉茶を瑞々しい緑色に煎じて飲料用に供する煎茶の技法を編み出したのは、江戸中期の宇治の人、永谷宋円だそうで、宋円の直系の子孫は京都府宇治市で「永谷宗園茶店」を営み、また別の子孫の一人は「永谷園」を創業しました。

江戸の頃、将軍に献上するお茶を宇治から江戸に運ぶ「お茶つぼ道中」は、大名行列でさえ道を譲らなければならず、「茶つぼに追われてとっぴんしゃんぬけたらどんどこしょ」の歌のように、お茶つぼ道中の障りになるのを恐れた庶民は家中の戸を全て閉ざしてやり過ごしたそうです。

 何はともあれ、おいしいお茶は心を和ませます。ポットから湯呑みにお湯を注ぎ、お湯を冷ましながら湯呑みを暖め、湯呑みが温まったらお湯を急須に移し、少し待ちます。
それぞれのやり方で、好みの濃さになったら湯呑み注ぐ・・・。
そういった手間も格別な時間ですね。