「サツマイモ」
 「食欲の秋」を代表する食材の一つ「サツマイモ」が旬を迎えています。
石焼き芋・ふかし芋・天ぷら・スイートポテト・大学イモ・キントン・干し芋・・・等々、いずれの調理法でも美味しいです。

 『野菜を凝縮(ぎょうしゅく)するとサツマイモになる』と言われるほど栄養価が高く、リンゴの5倍以上のビタミンCを含み、過熱しても壊れにくいのが特徴です。
カロテンやビタミンB、カリウムも多く含まれ、コレステロールの吸収や血糖の上昇を防ぎ、便秘解消にも役立つ繊維質も豊富、昨今は女性に大変な人気があります。

 
 実際のサツマイモの新芋の時期はもっと早い時期ですが、今時分、秋から冬にかけて、貯蔵して少し水分が抜けたくらいの方が甘みが増して美味しいようです。

 の種類は多く、よく見かけるのが、皮が赤、実は黄、ほくほくした食感の「紅あずま」や「紅小町」といった品種です。
埼玉県の川越で栽培されていた「川越いも(紅赤)」は「金時」とも呼ばれ、江戸の頃の諸国名物番付「天保時代名物競」に「サツマイモといえば川越」と記されたほど、当時からすでに美味しいサツマイモの代名詞となっていたようです。

 ちなみに、関東のサツマイモ栽培は、飢饉の際の救荒作物として、江戸時代の初期の蘭学者、青木昆陽(甘藷先生)によって広められたといわれます。

 当初、焼き芋は栗に近い美味なる甘さという意味で「八里半」と呼ばれましたが、そのうち「栗より(九里四里)うまい十三里」という看板を立てる焼き芋屋が現れ、人気を博したそうです。

 当時、産地の川越が江戸から十三里の距離にあったことに由来するという説もあり、そうした経緯などから「川越いも友の会」はサツマイモの旬の時期とも重なる10月13日を「さつまいもの日」と制定しています。

 尚、昔ながらの焼き芋ももちろん美味しいですが、サツマイモを材料に風味をそのまま残して作られた洋菓子・和菓子も、これまたほっぺたが落っこちるほど美味です。

 国内での生産地は、鹿児島県・茨城県・千葉県・宮崎県・徳島県が全国のトップ5県であり、この5県で全国の8割、特に鹿児島県は全国の4割を生産しています。
ただ、全世界で見ると日本の生産量は1%程度に過ぎず、トップの中国は全世界生産量の80%超を占めてるそうです。