「コーヒー党」
 一般的に「年度」という場合は「会計年度」を指していますが、他にも慣習や業界によって様々な「年度」のくくりがあるようです。
ちなみに、10月から新しい年度が始まるものとしてはコーヒーがあります。


「やわらかな誰が喫(の)みさしし珈琲ぞ 紫の吐息ゆるくのぼれる」  北原白秋


 最近は病気予防効果なども注目されているコーヒーですが、世界に広まる前はイスラム圏で「秘薬」として飲まれており、キリスト教圏では悪魔の飲み物とされていました。
しかし、そのおいしさを知ったバチカンの法王が、コーヒーに洗礼を施し、キリスト教徒のコーヒー飲用に許可を与えてからまたたく間に西欧に広まったそうです。

 以来、コーヒーは多くの人を虜にしてきました。
コーヒーを愛したナポレオンは「体を温め、勇気を出してくれるこのコーヒーを兵士達に与えよう。余の作戦と兵士達がいれば、世界は余の手のひらにあるも同然」と語り、
大のコーヒー党であったルソーは「ああ、これでコーヒーカップを手にすることができなくなった」と辞世に残しています。

 そして、コーヒーを語った中で最も有名な言葉は下記になるかと思います。


「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、

        恋のように甘く、そして・・・あなたのようにほろ苦い」


 この言葉には様々なバージョンが存在しますが、トルコの諺やフランスの政治家タレーランの言葉が原型になっているそうです。