「自然、再生可能エネルギーへの転換を・・・。」
 電力以外のエネルギーを電力に変換する「発電」には、代表的な方法として火力・水力・原子力があります。

 いずれもタービン(発電機)を回すことで電気を得ており、火力と原子力は熱エネルギーを運動エネルギーに変換して(蒸気でタービンを回して)電気を発生させ、水力は位置エネルギー(落下のエネルギー)を利用してタービンを回してます。

 その他の方法としては、火山国の日本に豊富な”地熱”を利用した発電がありますが、発電に適した土地には温泉地が隣接しており、湯量が減ったり温度が下がるなどの影響を受けとする温泉地の反対が開発の壁となってるようです。

 木材チップなどを燃料にした「木質バイオマス発電」は、被災地の廃材を加工して燃料に活用しようとの動きもあります。

 太陽のエネルギーを利用した発電には主として、太陽光を集光して熱エネルギーに変換する「太陽熱発電」と太陽光を直接電気に変える「太陽光発電」があり、風力発電にはタービンを陸上に設置する「陸上風力発電」や凧によって高高度の風を利用する「凧型風力発電」などの形態があります。

 海のエネルギーを利用したものとしては、波のエネルギーを利用した「波力発電」があり、三井造船や日本風力開発などが2012年の発電開始を目指しています。
コストの問題はありますが、潮流で水車を回して発電する「海流発電(潮流発電)」は天候に左右されない発電方法として見直される可能性があります。また、潮の干満を利用した「潮汐発電」は日本ではみられませんが、フランスやノルウェーではすでに実用化されているそうです。

 欧州では洋上風力発電が盛んで、日本でも海に風車を浮かべて発電する「浮体式洋上風力発電」の実証研究に向けた調査が始まろうとしています。

 深度のある海域に風車を支える土台を浮かべてチェーンでつなぎ止める仕組みの浮体式洋上風力発電は、世界45カ所超で1000基以上が稼働しており、デンマークでは20万世帯分の年間電力消費量に相当する91基の風車を洋上に建設する計画が具体化しています。
また、アメリカは今年2月に大規模な洋上風力発電開発に関する戦略を発表しており、中国や韓国も計画を策定中だと伝わっています。

 日本の海域では、さまざまな条件を考慮して発電設備の設置可能領域を絞った場合でも4800万キロワットの設備容量を確保できるとされ、風力の稼働率を3割とした場合、100万キロワット級の原子力発電所18基分の発電能力に相当するとの試算もあります。