「不謹慎、自粛ムード」
何事も好き嫌いがはっきりしていた清少納言は、「枕草子」の第一段を「春はあけぼの」で書き出しました。
「春は、明け方の時刻が清清しく一番良い」まさにそんな時候です。

 今は入学式シーズンですが、入学式の中止・延期を決めた大学は130校以上。各地でイベントの中止も相次いでいます。もちろん大震災の影響で実行が困難なケースもありますが、そればかりではありません。

 東日本大震災が国民心理に与えた影響は大きく、不要不急の消費を控える動きが広がり、行楽や観光などのお客も激減しているようです。

 楽しむ気になれない、不謹慎との気持ちはあるにしましても、過度の自粛は日本経済の活力をも削ぐことになります。
結果として被災地復興にマイナスの影響を与えることにもなりかねません。
震災直後の買い占めなどもそうですが、個々のムードで動くことは全体の利益に供しません。

 もちろん、節電などのような一定の自粛は必要ですが、あれもこれもとなれば「過ぎたるは及ばざるが如し」です。

 楽しみなイベントや計画は口にしにくいという風潮が感じられますが、景気の「気」は気分の「気」です。
「博多どんたく」は5月の連休に予定どおり開催される運びになったそうです。主催者側は延期なども検討したそうですが、「がんばろう日本」をスローガンに、会場に募金箱を設置するなど被災地支援をテーマに掲げ、開催を決定したそうです。