「河豚(ふぐ)」
「河豚(ふぐ)は食いたし、命は惜しし」

 河豚を食べたくても下手に食べると命を落とすことから,「あることをしたくても結果の恐ろしさを思うと中々実行に移せない」という意味の慣用句ですが、今、その河豚は旬を迎えてるそうです。

この「ふぐ」という呼び方。実は西日本では「ふぐ=不具」につながるとして避けられ、代わりに「福=ふく」と呼ばれてることをご存知ですか?
この「ふく」はヒョウタンすなわち「ふくべ」に、その姿が似ているのでついたとも、あるいは海底の砂を、吸い込んだ海水を吹き付けるように舞あげて、そこにいるゴカイなどをつかまえるので、その「吹く」からきたともいわれています。
また地域毎に呼び方が変わり、大阪ではふぐを「てっぽう」と呼びますし、長崎では「がんば」、銚子あたりでは「とみ(くじ)」と呼んでいるそうです。

「豚」と書くのは体型の事を指すのではなく、フグは身の危険を感じると豚のような鳴き声を発することから「豚」の文字が当てられたそうです。
又、「河」と書くのは古代中国では黄河など河川に生息していたためで、中国語でも「河豚」という呼び方を使っているそうです。

このように、呼び方ひとつにも地域によってこだわりが感じられ、「ふぐ」は日本人にとって大切な食材なのですね。

 河豚と言えば「河豚のちり鍋」、「てっちり」が有名ですが、語源は河豚の毒にあたったら死んでしまうため、ふぐそのものを「鉄砲」と呼び、「鉄砲のちり鍋」から促音化したそうです。