「アブラハムの宗教」
 宗教は、特に海外において人々の習慣や考え方に大きな影響を与えています。
海外において現地の人を理解するには、その人々の宗教を理解する必要があるのはよく言われることです。
又、ほとんどの宗教が教義の解釈で多くの派に分かれ、時に同じ宗教内で対立や抗争が起ることもしばしばで、「宗教の話はするな」と言われますように、話題としては非常にナーバスなテーマでもあります。

 ところで、世界には様々な宗教がある中で、キリスト教、イスラム教、仏教が世界の三大宗教といわれます。
ヒンズー教の方が比率的には多いのですが信者分布が広範囲であるという点で仏教が三大宗教の一つとして数えられています。

 世界の総人口に占める割合はキリスト教徒が約33%、イスラム教徒が約20%、仏教徒が約6%となっており、キリスト教のカトリックとイスラム教スンニ派の信者は約10億人でほぼ拮抗してるそうです。

 ちなみに、新約聖書巻頭のマタイによる福音書ではイエスに連なる系図を長い行を割いて紹介していますが、マタイの福音書の冒頭に登場する預言者アブラハムはユダヤ人に加えて全てのアラブ人の系譜上の祖とされています。
そのためキリスト教とユダヤ教、イスラム教の三宗教を称して「アブラハムの宗教」と呼びます。

 イスラム教と言えばアラブ世界(中東)の宗教というイメージがありますが、実際にはインドネシアが約1億9千万人という最大のイスラム教徒を抱え、次いでパキスタンの1億4千数百万人、中国の約1億4千万人、インドの約1億2千万人の順となっています。