「財布の紐」
 昨年からの不景気で支出を控える動きが顕著です。
昨年12月調査の家計調査では1世帯あたりの消費支出が前年同月比で4.6%の減少となってるそうです。

 また、「日経産業地域研究所」が首都圏に住む20―69歳の男女を対象に1月に実施した調査では、1年前に比べ減らしている主な支出費目(複数回答)は外食75%、衣料・服飾雑貨70%、旅行44%、交際費38%、家具・家電などの耐久消費財35%という結果が出ています。

 しかしながら、これをもう少し細かに見てみると、別の消費傾向も浮かび上がります。

 例えば、百貨店売上が低迷する中、菓子(スイーツ)類は24カ月連続で前年比増となっています。
外出着の販売は伸びてませんが、部屋着や家周辺での着用が想定されるカジュアル衣料を販売するユニクロは好調。毛糸を購入してセーターを編んだり、家庭調理に幅をもたせる圧力鍋など「自活消費」も堅調です。

 暖房、空気清浄機、加湿器などを装備した家は都市型ホテル並みの快適さ。高齢者世帯では夫人好みに設計した便利なシステムキッチンも人気だとか。
外での支出を抑えれば、家で過ごす時間が長くなり、当然「イエナカ消費」は増えますね。

 もう一つ例をあげれば、ペット関連商品が堅調です。
子供が減る一方、高齢者や高所得層を中心にペットを飼う人は増加しています。
「ペットにかける年間費用」について今年1月に行った調査では、年間の平均合計支出額は犬の場合で24万8千円、猫が12万8千円となっており、08年2月調査と比較するといずれも2割増しとなっています。

 ちなみに、犬をペットにもつ世帯の平均年収は全世帯平均の1.4倍、猫飼育者の年収は全世帯の1.3倍。ペットに対する家族意識の高まりを背景にペットのためには費用を惜しまない傾向がみてとれます。