「日本家屋」
 まだ厳冬の候ではありますが、そろそろ春めいた話題も聞かれるようになります。
東京都文京区の”湯島天神”では早咲きの白梅が咲き始めたそうで、例年より1週間早いペースで開花が進んでいるそうです。

 ところで 機密性に優れたマンションにお住いの方は、たまに一戸建ての部屋に行きますと、かなり寒く感じるものです。
昔ながらの和風建築の場合は特にそうで、合理的な造りとしてその結果、風通しがよくなっているとの話を聞きます。

 たとえば日本家屋の和室。襖(ふすま)や障子で仕切られていますが、合わせの部分にどうしても隙間ができます。
この隙間の、一室における合計面積は、8畳間で80センチ四方、つまり6400平方センチもの面積になります。
日本は温暖多湿の気候であるため、建物において換気性の確保は重要なポイントとなり、そういった観点から自然換気ができるような造りになっているそうです。

 さらに昔に遡り、平安時代の頃の宮廷は、ほぼ吹きさらしに近い構造となっており、かなりの寒さだったそうです。
それ故、幾重にも重ね着が必要になり、その結果、十二単という大層な衣装が誕生しています。

 十二単は色は、色の組み合わせ(色目)に季節を取り入れ、立ち居振舞を艶やかに彩る装いでもありました。
ちょうど今頃は紅梅のような少し紫がかった紅色の濃淡を組み合わせた「紅梅匂(こうばいのにほひ)」という色目を身にまとっていたのかもしれませんね。