「サラリーマン生態学(いきざまがく)」
 賞与が出て、年末で一区切りということでしょうか、この時期に退社・転職という話はよく耳にします。

 作家の童門冬二さんが執筆された「サラリーマン生態学(いきざまがく)」の中で、大変興味深い話があるので、ここでご紹介したいと思います。

 「Qさんは万年課長だ。今まで何度か部長昇進の機会があったが、理由があってうまくいかなかった。
しかし、人事異動期になると、Qさんは獅子奮迅の活躍をする。
自分ではなく部下の売り込みだ。そのセリフが、『オレのような無能課長を支えてきた有能社員だ。
ぜひ昇進させてやってくれ』というキマリ文句だ。
人事関係者は苦笑する。
しかし、けっこうQさんの主張は通る。
そのため、『社で出世するなら、まずQさんの部下になれ』というような冗談が半分本気でささやかれている。
Qさんは無能ではない。逆に有能だ。ただ、正義感が強いい・・」

 上記のような話ですが、特に現在サラリーマンの方なら、いや既に引退されている方、退社された方、またOLの方等々は、「なるほど」と身に覚えのある方が多いのではと思います。

 恐らく、社内では「手ガラを自分の物にしてしまう人」で「責任は他人に押し付ける人」の方が一般的には多いのが現実です。
Qさんとは逆で「あの人の部下になるといい目にあった人がいない」という上司も必ずいるものです。
そうした中、Qさんのような方は、今時非常に貴重な存在かもしれません。
何か、感じるものがあるのでご紹介させて頂きましたが、皆様の周辺では如何でしょうか。