「塩分」
 人間の祖先が海に棲んでいた名残でしょうか?、人体に流れる血液には適度な塩分やミネラルが含まれ、海水に近いとされています。

 人間は、水分の摂取と排泄で体内の水分バランスを保っており、普段、汗などで体外へ排出される水分量は1日の排泄量の約40%にも達すると言われています。
多量に発汗した際は水分の補給はもちろんのこと、塩分の補給も大切です。

 ところで「塩」と言えば昔は貴重品で、古代ローマでは兵士の月給として塩が支給されたり(サラリーの語源)、アフリカでは貨幣として使われていたこともあるそうす。
又、上杉謙信が敵将武田信玄に塩を送った故事に由来する「敵に塩を送る」との言葉も残っており、古代中国の書物には「塩は百肴の将、酒は百薬の長」とあります。

 昔から、生きるために欠くことのできない貴重な物資であった「塩」ですが、熱中症によって摂取の重要性が説かれる一方で、摂り過ぎにも注意が必要です。

 ちなみに工業的に作られた塩と自然塩には大きな違いがあります。
工業的に作られた塩は、塩化ナトリウムの純度99%以上の食卓塩に代表されるように、多くは化学的に精製されたものが主流となっています。
塩化ナトリウムのみの食塩は、摂り過ぎた分は体内に残留し、高血圧・脳卒中などの遠因ともなります。

 それに対して、海水から精製する自然塩には、海水に含まれるミネラル分も混じってます。
それを摂取することで人間の身体や精神活動にも重要なミネラル分をも摂取することになり、含まれているミネラルの作用で多少摂り過ぎても体内に排出されます。
 
 尚、自然塩の摂取は、熱中症予防の他に、ミネラル不足が原因とも言われる夏バテ予防にも効果が期待できるそうです。