「蝉の声」
 蒸し暑い日が続いていますが、夏の太平洋高気圧の勢力が強まり、梅雨前線が北上すると本格的な夏到来です。
すると何処からともなく「蝉の声」が聞こえてきます。

 今から約300年前、松尾芭蕉が山形の立石寺を訪れ、その景観美に感銘を受けて詠んだ名句があります。

         「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」

 この句が作られたのは、太陽暦で7月13日頃のようです。
句に登場する蝉は「ニーニー蝉」か、「油蝉(あぶらぜみ)」か、或いは違う種類なのかは疑問ですが・・・。
その頃の山形は、まだ「油蝉」が出現しておらず、たぶん「ニーニー蝉」ではなかったのかとの見方がありますが、一方「油蝉」がこの時期にも現れるとの報告もあり、定かではありません。

 どちらにしても「二ィー、ジィー」とか「ジージー」とか蝉が鳴き始めると梅雨明けは近いのでしょうね。