「初心、忘れざるべかざる」
 新鮮でいきいきしていることを「清新」、明るくのびのびとしていることを「明暢(めいちょう)」と言います。

 今日は二十四節気に言う「清明」です。
「清新明暢の気が充満する頃」の名にふさわしい陽気となり、街をゆく新一年生の姿も一層初々しく感じられます。
真新しいランドセルに、真新しい制服・・・、遥か遠い昔のことのようでもあり、ついこの間のことのようでもあります。

 新一年生も、新社会人も、ちょっと大きめの新しい制服や新しいスーツ、といった外見上の “らしさ” とは別に、何となく伝わる初初しさで遠目でもそれとわかるものです。
しばらくすれば、この“初初しさ”は薄れてくるものですが、初初しさに包まれたその内面にある夢や希望はいつまでも忘れずにいてほしいと願います。

 「初初しい」を辞書で引くと、「世間ずれしていないで、若々しくけがれのない様である、物馴れていないで初心な様子である。」などと書かれていますが、最近は「初初しい」と感じる機会がめっきり少なくなったような気がします。