「夏目漱石」
 此処2~3日、風も穏やかな、春のような暖かさで、”三寒四温”をくりかえしながら季節が動いてゆくのを感じます。

 処で、普段使っている日常の言葉でも、なぜこんな字が当てられたのかとふと疑問に思うことがあります。
「流石」などもそのひとつで、調べてみると次のような故事がありました。

 古代中国において、皇帝から帝位を譲ると言われた人物が、耳が汚れたといって川で耳を洗ったという伝説があります。
この伝説を踏まえある人が「世を捨てて、流れに漱ぎ(すすぎ)、石に枕してくらしたい(枕石漱流:ちんせきそうりゅう)」というべきところを、「石に漱ぎ、流れに枕す(漱石枕流:そうせきちんりゅう)」と言ってしまいました。
間違いを指摘された際、咄嗟に「枕流は世俗のくだらない話を聞いた時に耳をすすぐため。漱石は歯を磨くためだ」と言い返したそうです。

 上記が「漱石枕流」という故事で、こじつけや負け惜しみが強いことを意味していますが、この故事から「流石:さすが」という言葉も生まれました。
この場合は、咄嗟の対応や、なるほどと感心する際に用いられます。

 ちなみに夏目漱石の名も上記の故事に由来しているそうです。