3月2日 明日は雛祭りですよ、お母さん! 
そろそろ、桃の花が咲きはじめる、雛祭りの翌日に母は、
20代の私を残して亡くなった。

昨日は、バイトの帰り道、飾り雛を一個だけ買って亡き母にあげた。
あの頃の私は、別の町に住み仕事に夢中だった。

3月2日の雛祭りの前日に母にお小遣いを送った。普通で送ろうか、
速達にしようか、迷ったあげく、速達で2万円送った。

叔母から「××ちゃん、お母さんの風邪は悪いみたいよ!」と聞いていたので
休日に行くつもりでいた。

そして4日、会社で仕事中の午後6時に、一本の電話が鳴った。
事務をしていた私は、仕事の電話だと思い軽い気持で受話器を取った。

「今、お母さんが息をひきとった!」との電話を聞いた時、
信じられなくて耳を疑いながら、急いで社宅に帰り、

貴重品だけを持ち、走って電車を乗り換え実家に向かった。
真っ青な母の顔を見た時、初めて亡くなったと実感し、

身体を消毒で拭いてあげた。「亡くなるまで××ちゃんのお小遣いを
胸に大切に抱いていたのよ!と叔母に聞いた時、

「私を抱いてくれたのね、お母さん!」大きな涙が一粒落ちた。
父の事業で失敗した後の母は、入院費をあげても生活費に当て、

糖尿の合併症が出ても、入院せずに家で父と一緒に暮らしていた。
父は、疲れきって何も出来ず、お葬式は貯金を引き出して私が支払った。

雛祭りが来る度に、桃の花を思い出す。遠い遠い天国の母、そして
父の二人に、「雛祭りの歌」を歌ってあげる。