南座へ文楽観に行って来ました。
 四年間京都の大学通っても京都の南座も文楽も知らない人は大勢居るみたいで、「南座に文楽見に行くから」といきなりの今夜の遊びの誘いを断ったら意味が通じ無い学生さんが何人か居ました。「それどこ?」とか「文楽って何?」とか何度も訊かれて苛々。京都の大学通ってるんだからそれぐらい知っていなさい。

 文楽とは植村文楽軒が人形浄瑠璃を受けて興した日本の伝統的人形劇で、太夫(浄瑠璃語り)・三味線弾き・人形遣いの三業で成り立つ演芸です。
 今日僕が観たのは「桂川連理柵」。
 主遣いがずっと顔を出した出遣いの状態の侭全ての段が進行していき、ちょっと不満でした。人形の横に顔があるとつい僕は見てしまうので。
 途中からは人形よりも太夫の表現に「こんな風に語るのか」と関心を寄せて見てました。

 観に来ていた年齢層は微妙にまちまち。
 どうみても七十を超えていそうな御婦人が杖をついて観に来ているかと思えば、幕間の度に「何言ってるかわかんない」だの「これつまらない」だの言ってる女子大生もいました。
 僕は浄瑠璃の語りを脳内で現代語に変換して特に意味が判らないとは感じず面白い演目だと思って観ていたのだけど、其の僕の横に居た女子大生達は違ったみたいです。