2013年10月の記事


岡目八目
 貴方の親族のことを貴方の友人知人に悪く言うのは貴方にとって益を齎しませんよ。
 そう時折人に伝えてるけど伝わらない人にはどうにも伝わっていません。

 世の中にはその子から見て尊敬できる親と尊敬できない親が居て、尊敬できる親を持つ子は尊敬できない親の存在を理解し難いようです。
 中には子が尊敬できない親なんて存在しないと考える人もいるようです。僕は全くそう思いませんが、そう熱弁する人に出くわしたことは何度もあります。

 親を尊敬している人に親子の関係が良くない人が自分の状況を話しても共感は得難いです。人それぞれ育った環境や体験したことは違うのだから仕方ないですが、下手すると話した相手に理解してもらうどころか自分の家族を否定的に言われてるように感じられてしまうこともあります。
 また、親を尊敬している人によっては、親を尊敬するのは極々当たり前のことで、それができない人間は人として欠陥を抱えていると考える人もいるようです。そういう趣旨の発言をしている人を見たことがあります、酒の入った席でしたが。

 人それぞれ事情があり色んな家庭があります。親を悪く言う人たちの状況や感情を、僕は多少は理解しているつもりでいます。愚痴を言いたくなってしまう気持ちもよくわかります。
 ですが、その愚痴を親との関係を大事にしている人に言ったり、多くの人が見聞きできる場所で発言するのは、発言者の状況を理解していない人からの評価を不当に下げて要らぬものを招いているように思えます。
 世の中には自分の価値観と異なる価値観を提示する人に対して「自分の価値観を否定するな」「自分と同じ価値観を持っていない人間は人としておかしい」と決め付けてしまう人が一定数居ます。「親」というキーワードを否定的に扱うと、その否定を目にした人の心を揺さぶります。揺さぶられた感情のまま自分の価値観に合わない発言を否定する人も少なからず居ます。その否定が友人へ向かうのが嫌だし、愚痴を否定されて友人が悲しむのも嫌です。

 余計なお節介なのだろうとは思うけど、公の場でその腹立たしさを口に出さない方が今後の貴方の為になります。
 口に出すときは私的な場所で、貴方と価値観を共有できる人との間に限って。
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もやもや
 先月聞いてからもやもやしてたものを書いてみます。

 子どもの頃、近所のガキ大将にされた頼みごとを断るためにそのガキ大将に自分の秘密の場所を教えたことがあります。
 正確にはガキ大将の秘密基地を教えてもらったお礼に何かするかもっと秘匿性の高い場所を知っていたら教えろと何度も問われてつい面倒になって、でしたが。未だに覚えているので当時の自分は余程うまくそのガキ大将の要求をかわせずに困っていたのだと思います。

 ガキ大将が教えてくれた秘密基地は秘密でも何でもない通り道の脇にある場所でしたが、自分の秘密の場所はその行き辛さ故に近所の住民のほとんどが知らない秘密の場所でした。
 秘密の場所はガキ大将や自分が住む地域からほど近い山の中腹にありました。普段は乾いて疎らに雑草が生い茂る殺風景な台地でしたが、梅雨の時期や長く雨が降った後にだけ小さな池ができて百合の花が綺麗に咲き誇るところでもありました。
 毎日「あれをやれ」「これに付き合え」と言いたい放題の生意気なガキ大将が、その秘密の場所を教えた時はにっこりして感謝の言葉を言ってきたのを覚えています。そこに咲く百合の花はガキ大将の母が好む花であったとか、お母さんへのお土産に数輪摘んでいきたいだとかそんなやりとりもあったようななかったような。

 その場所は自分にとって息抜きに来る秘密の場所だったので、ガキ大将には他の人に教えないように頼み、ガキ大将はそれを了承しました。ほんの一ヶ月くらいだけ。
 気付いたらガキ大将は、ガキ大将が一人で見付けた秘密の場所としてその場所を遊び仲間に話してしまっていました。かなり行き辛い場所なので入り浸る子は少なかったものの、そこは自分にとって息抜きできる場所ではなくなりました。

 それから十何年経って、つい最近にガキ大将が多くの人にその場所を再び教えたことを知りました。
 昔子分たちとその場所に来てたことを忘れたのか、子どもの頃常に一人で過ごしていた場所として紹介していたそうな。

 それを聞いてからどうももやもやしています。
 未だに悔しいのかもしれない。
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