芸術を生み出せる人物は、心や生い立ちのような其の人物に関わる何かに瑕疵を持っているのではないだろうか。
 詩なり絵画なりで大成した者達は、其の瑕疵に種を埋め込み、自らを養分にして美しく花開かせたのではなかろうか。
 何て事を考える今日此の頃。

 僕には其処彼処に傷はあるんですが、埋めるべき種がありません。
 欲しい種はどれもが漠然としていて、どの種を自分が一番望んでいたのかもうさっぱり判りゃしません。
 大きな花を咲かせる気は僕には無いから、若し種が手に入るなら地味な草木のような種が欲しいです。例えば、エリカみたいな。