苦しみ
 他人の苦しみは完全には判りません。
 自分と似た体験をした他人の苦しみならある程度までは理解出来るが、相手が自分と同じ苦しみを味わっているとは限りません。
 どれほど似た体験をしていても、完全には其の苦しみは理解出来無いけど、目の前に居る他人の苦しみを理解しようともしない人には何かが足らないんじゃなかろうか。

 なんて事を昨日、月の障りの痛みで苦しむ友人の横で思ってました。
 僕は其の痛みを感じた事が今迄無いので、脂汗流し小さな呻き声をあげ腹部を押さえて痛みを堪える友達に対し、如何したら良いのか判らなくて戸惑ってばかりでした。
 苦しいという事は知っています。非常に痛いと言う事も知っています。其の期間前後はホルモンバランスが不安定になり精神面に影響する事も知っています。
 だけれど、僕は彼女の痛みがどんなものか知らないし、何もしてやれない。精々僕に出来るのは彼女が持っている痛み止めを取り出して水と一緒に手渡す事だけ。