麻布&木綿糸刺繍 津軽こぎん、身心温める女性の知恵「美の壺 青森の手仕事」251110ETV
 麻布&木綿糸刺繍 津軽こぎん、身心温める女性の知恵「美の壺 青森の手仕事」251110ETV

 番組のエピローグ。草刈正雄が手にしていた「型紙 作業指示書」というか、一枚の図案に目が奪われた。
 縦糸と横糸。その通し方。順序を数次で示し、奇数箇所を紡ぐ幾何学模様。
 そうしたくくりであったかと、思う。映像を紹介出来ぬ点が惜しまれるも。

 出演の服飾デザイナー 堀畑 裕之氏は語る。「こぎん刺しの本来の目的は二つ」。
 「一つは農作業のときなどに、津軽の風を防ぐ“防寒”」。
 「もう一つは身近な家族を飾るための装飾」。

 「そういう二つの役割をもう一度取り戻せたら良い、と」「現代のデザインに落とし込みました」。
 
 畿内で庶民に木綿着用が行き渡る。はるかに北の寒冷地で暮らす津軽の人は、麻布を常陽。
 そこにせめて「木綿糸」。刺繍で保温性と装飾性をデザインして、家族に着せた。
 長い冬。農閑期の女性の「組み合わせは無限にある、連続性の命のつながり」たる「津軽こぎんの装飾」。

 ナレーター伝える。「津軽の女たちが苦心してデザインした」。
 「奇数で拾ってゆくというキマリがある」。
 「その繋がりの中にどれだけ柄を作ってゆくか」「組み合わせは無限」「命のつながり、その連続性というものをまとっている」。

 「見てくれ」で価値を判断しがちな今の時代、仕上がりに込められた意味&意義。
 それ以上に、厳しさ克服、生み出した<地域の知恵>と<その源泉>を解きあかす。