「奥座敷」、そう言われた温泉街の苦闘 「温泉街再生策 川湯で学んで」240324道新(5)
「奥座敷」、そう言われた温泉街の苦闘 「温泉街再生策 川湯で学んで」240324道新(5)

 22軒あった温泉宿が6軒になった。年間70万人の宿泊客が今や25万人台を下回る。
「川湯温泉の再生策や先進的なエコツーリズムについて現地を回りながら学んでもらう」。
 提案は「一泊二日<二つのプラン>」。

 (A)「温泉街再生の取り組みをを学ぶ」=5万5000円/人。
    川湯ビジターセンターや温泉街を巡りながら、協会関係者らが解説。
 (B)「エコツーリズムについて解説」=7万7000円・人。
    計50キロに及ぶ摩周・屈斜路トレイルの体験や座学などを行う。

 宿泊減少の要員は「団体ツアーの客の減少」。奥座敷きと愛された地元民の利用は頓挫した。
 企業の宴会、大会・研修会の会場として利用される対象が都市型ホテルで吸収される。

 「廃ホテルの撤去」「大手リゾート会社の進出を受け入れ再生を委ねる」「地元民よりも海外の富裕層の取り込み」。
 地元の関係者が本当に望んでいる施策か。観光なのか、生涯学習の新しい<あり方>か。

 背景にいくつかの<追い風>。
 「(自治体行政区域の)65%が阿寒摩周国立公園内にある」
 「国際的な認証機関から『世界の持続可能な観光地トップ100』に選定」
 「(地元観光協会の見解)弟子屈の事例は他地域でもなるのでは」。

 「奥座敷」、そう言われた温泉街。聞かれなかった<ご贔屓筋利用>。
 2020年春、COVID-19発生ので、宿泊キャンセルが続出したとき。
 本州温泉旅館で導入された「事前予約=宿泊料金前払い、終息後再開に投宿」の<ご贔屓筋利用>。

 「観光で僻陬の地」。客層が大きく変わった現代に、リゾート型観光の可能性。
 それは「周囲の支持者の可処分所得と文化度」にあるや。