入り海
「入海」の岩礁でコンブ採藻 浦雲泊・ポントマリ・pon-tomar 211225

 「寄り昆布」
 拾いあつめて乾燥させ、本州側に引き渡す交易対象品となった、コンブ。
 海岸線に発達した岩礁はその資源育成地であった。明治期、そこに本州出身の定住家族に「コンブ干場」が割り当てられた。
 割り当ての単位は一世帯あたり「七百五拾坪」。

 「乾燥昆布」。
 本州側の昆布採藻漁業は、「寄り昆布」にとどまらない。
 洞海型漁船を駆使して海洋に乗り出し、採取した資源を天日乾燥で出荷する。
「浦雲泊・ポントマリ・pon-tomar」の浜には2世帯が割り当てられた。その様子が「加茂家干場台帳」に登載されている。

 「入海」
 台帳に「入海」の記載。「浦雲泊・ポントマリ・pon-tomar」は小湾というより、「入江」とするにふさわしい地形と立地条件。
 断崖が迫る太平洋に面した海岸線にあって、わずかにうかがわせる湾曲の砂浜。附属の岩礁は危険ではあったが、他方では昆布採藻資源を育む地なのだ。
「加茂家干場台帳」。この部分の記載は明治8年には済まされていた。かく考えるのが適当ではないだろうか。