提案者の思惑、その先にあるモノ 「今日の話題 消えた道銀」201022道新夕刊。
 提案者の思惑、その先にあるモノ 「今日の話題 消えた道銀」201022道新夕刊。

 1944年9月、
 「北海道銀行」なる会社が北海道拓殖銀行という会社に吸収合併された、と。

 合併は銀行の都合ではなく、
 政府が「一県一行主義」をすすめた結果の銀行統合であった。結果、道内に11銀行あった地方銀行は拓銀一社に絞られた。

 政府は政策執行の理由を、
 「銀行がたくさん並んでいる結果、競争的になり、ついには不安全な貸し出しをする」。そういうことと、説明したらしい。

 記者は書く。
 「実態は軍備拡張のため、国債増発の引き受けと預金吸収を目的に、各地で強力な中心となる銀行が必要となったようだ」。

 「一県一●主義」。
 それは、こと銀行のみではない。「一港一社主義」の策で室蘭=栗林、釧路=三ツ輪運輸、函館=金森かに各社は統合された。
 「一県一紙主義」から、道内に開業函館、小樽、室蘭、旭川、北見、帯広、釧路の新聞が統合されて、『北海道新聞』=「道新」が成立した。

 記者は注目する、二つの点で。
 1)に「合併しやすいよう独占禁止法の特例法が来月施行される」。
 2)に「銀行の苦境は、出口の見えない超低金利政策が原因だ」「またも国策のつじつま合わせなのか」。

 時に「北海道銀行」。今ある道銀は、第二次北海道銀行で、まったく別会社。
 「1894年(明治27年)に余市銀行として設立し、第百十三銀行(函館)と合併してできた老舗だ」、と。
 北海道経済に占めた、余市・函館の地位を知る話。