学習=成果のあがる領域、あがらぬ分野 渡辺淳一『人間を見つめる』
 学習 成果のあがる領域、あがらぬ分野 渡辺淳一『人間を見つめる』

読後の記憶を呼び起こし、今も脳裏にある箇所を暗誦するに。
 人間には学習することで成果のあがる領域がある。医学、科学、芸術、技術。<進歩>の名にふさわしい成長、深化、充実が蓄積される。
 他方で人間には、いくら学習しても成果がさっぱりあがらない分野もある。男女の仲は、学習することでどうかと言えば、効果のあがることもあるが、同じ失敗をすることもある。
 他人がたどった道筋を学習しても、また同じ失敗を繰り返す。男女の仲に平和と戦争。



 ETV教養講座のテキストにある渡辺淳一著『人間を見つめる―医師の目、作家の目―』。発売は2001年のことであった。
 本書を紹介する一文に、次のような記載が残っている。
 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000061890582001.html
 「医師も作家も人間の真理を知ろうとする職業」「医師は科学的に肉体からアプローチし、作家は人間の真理にアプローチ」「先端医療と、飽くなき人間探求から導き出される重層的な人間観」。
 のちに週刊誌にその一部を掲載。若者に読ませたところ、「エッ、あの渡辺淳一が、ですかー」。