<外交日程処理の多用>&<縦割り行政>だけが問題か 薬師寺克行著『外務省-外交力強化への道-』 (岩波新書)
<外交日程処理の多用>&<縦割り行政>だけが問題か 薬師寺克行著『外務省-外交力強化への道-』 (岩波新書)



 2002年9月であった「小泉<電撃>訪朝」.そして2003年3月だった「イラク戦争支持」.
 この二つの外交案件が一、二章で紹介されて、「日朝交渉への扉を開いたとたんに拉致・核問題で手詰まりに陥る」、「(一方で)アメリカの戦争にはいち早く支持を表明した日本外交」.二つの案件を、日本外交の<切り口>としている.
 担当するアジア大洋州局と北米局.これに条約局が存在.<縦割り>の<視点狭隘>がせめぎあう、か.

 <外務省の体質や政策決定過程のあり方>.
 アメリカの影響力と日米安全保障体制への配慮.この枠組みのもと、エリートたちの存在感が占めされる.
 外交日程の処理、当面する外交課題、国会の対応.<答弁を前例に、その枠組み内におさめる>は<堅実さ>か.
 ために、我が国の外交理念、国際間の変化&当面する現状、長期戦略の構築.そのあたりに<硬直化>を指摘しているのかも.

 <外交に三段階>
 1)日中国交回復まで、2)東西冷戦の終焉=ソ連崩壊、3)同時多発テロ移行.

 変化する局面で政策基調は主権者国民目線か、時の内閣の顔色か.それとも財界・アメリカ、それに懐古的お考えの方か.(2003年3月 岩波書店).