味覚劣化 コーヒーの味
  味覚劣化 コーヒーの味。ここに来て、コーヒー専門店の選択が難しくなった。そうは、言えまいか。

 そもそもテレビのコマーシャルで説明する「違いのわかる男のインスタントコーヒー」や、コーヒーメーカーで落とした泡で風味を守り、「おいしい」というのは、本当か?。

 コーヒー専門店が豆を吟味し、店主の創意工夫で組み合わせたオリジナルブレンドを、厳密な温度管理のもと熟練のワザで落としてくれる店が少なくなった。

 ファストフード店がいかにも権威ありそうなコーヒーメーカーでドリップしてくれて美味しそうであるが、裏をかえすと若い先日採用したばかりのねーちゃんが、マニュアルに沿って製造、おいしい、低額と称して年季加算の職人のいれたコーヒーより高額で、あったり。

 ホテルも10杯分のコーヒー豆を12杯に落とすのかどうかは知らないが、それらしき味のコーヒーが「うまい」と思えたことが、きわめて少ない。

 そもそも、挽きたてがおいしい。挽いてから時間がたつと酸化がすすむとするコーヒー豆。吟味した豆を挽きたてで落とすコーヒーにくらべ、「インスタントでもおいしい」と人気タレントがシミジミ申すコーヒーの味は、信じがたい。

 最近の若者。缶コーヒーは呑むことができても、喫茶店でのコーヒーを呑むことができない、らしい。味覚の劣化。それを薦めているのは、コーヒーメーカー自体のような気がする。

 旅に出て、おいしいコーヒーにめぐりあうのは、至難のことになっている。言いすぎであろう、か。