渡辺幸應ほか「大江戸クルメ物語」
 渡辺幸應ほか「大江戸クルメ物語」。江戸が人口吸収地区になって、生産と消費の間に距離感が発生するようになった。

 多分、「新鮮」のつぎに、なんらかの「手」、すなわち「食材を分解して、一手間かける」をくわえて、食べ物本来の味を豊富にすると言うか、多様にすると言うか。服部はその「手」をくわえるを、「仕事」と表現する(92p)。

 魚にコロモをまぶして、脂であげる。マグロを醤油につけて「ヅケ=漬け」の食べ方を提示する、そば粉でうどん風に仕立てた面を汁でたべる。したがって寿司、てんぷら、そばは江戸時代に完成した「三大ファストフード」(90p)と表明する。

鰹節。輸送に日時を要するが、その間に良質の黴(カビ)を発生させて、悪玉のカビを抑制することを考えたのだそうだ。「養生」というか、輸送期間=製品のグレードアップ期間と位置付けたわけだ(93p)。
 動物性のイノシン酸と植物性食品のグルタミン酸をくみあわせて「数倍うま味が増します」(94p)ともいう。昆布ロードの始まりでもあり、重要な発見。

 我が国の工業化で、食料の自給率はさがった。考えておきたい。自然の宝庫に未利用資源が、まだまだありそう。本書はそうしたことを教えてくれる。

 

編集 freehand2007 : 急増都市には仕事を求めて男性が多く、その男性を追って女性が駆け付けた?。近代ではそのような様相ですが、果たして江戸では?。興味が広がります。、
編集 ペン : 初期のころ江戸の街は圧倒的に男性が多かったようです。自炊する手間を省く為デリバリーやケータリングも発達したようです。同じようなお店が出来てくれば付加価値をつけるようになる・・今も昔もあまり変わりませんね^^