白幡・尼崎著「京都名庭こう見てよし!」
 白幡・尼崎著「京都名庭こう見てよし!」。庭の構成要素としての石と水。

 石には「自然の代表で、人間と対話する相手」(10p)の意味があるのだそうだ。そう、気づくには識者の指摘が必要だ。山科道安の「かい記」が紹介される。

 「昔の人が深い深い山にわけいった経験が表現されているのであろう」(20p)。

 庭に転機が訪れる。平安時代のそれは「池の石」で、「海岸の風景を写す」とされた。その時期、わび茶の発生とともに「市中の山居」に転換するという(43p)。

 「市中の山裾」を本当の自然の中に営む草庵よりも優れていると自負していたともいう(45p)。

 庭は形の世界ではあるが、哲学の世界でもあると実感させてくれた。(日本放送出版協会 2006年12月)。

編集 ペン : まだ見ぬ世界を表現したのが海を庭に作ったりする行動になるんですね。塩釜の海を作った公卿さんもいたようです^^