官僚の教養
 「日めくり万葉集」。大伴家持・山上憶良らの短歌が登場する。

 「万葉集」には恋歌もあれば、挽歌もあるが、思想の歌もある(ドナルド・キーン)。

 貧窮をうたう憶良の貧しさの背景を、「寒い夜、酒粕を湯にといてススル」と、貧しい民の寒い夜の過ごし方を解き明かしていたが。
 山上が筑前に派遣されていた時代の、歌とする。

 大伴は越前や因幡に派遣されていた時代の歌が紹介される。
 思えば、古代にあって地方に派遣された官僚は、粋な表現で自己の存在感を後世に伝えたものだ。