「大寒」
 日本には春夏秋冬の四季の他に、中国由来ではありますが、一年を二十四の季節に区分した「二十四節気」という表し方があります。

 明日の「大寒」も二十四節気の一つで、極寒の時季となります。厳しい寒気の中にありながらも、寒さに強く「雪中花」との異称を持つ「水仙」の早咲きのものはすでに花開いています。

 「水仙」の名は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典に由来しており、芳香を漂わせながら水辺に咲く佇まいが仙人のようであるとしてその名がつけられたそうです。

 また、ギリシャ神話に、美少年が泉に映った自分の姿に恋をして、毎日見つめ続けるうちにいつのまにか1本の花になってしまったという逸話があり、水辺に映った自分の姿を覗き込むかのように咲くこの花(水仙)に、少年の名をとって「ナルシサス」という学名が与えられました。自己愛を意味する「ナルシスト」という表現はここからきています。

 話がそれましたが、極寒の中で、水仙や梅のような寒さに強い花から咲き始め、しだいに春が準備されていきます。次の二十四節気はもう春(立春)です。