「中秋の名月」
台風一過、好天気が続いてますが、今日は旧暦八月十五日で、旧暦十五夜の月はいわゆる「中秋の名月」です。

 満月はそれこそ月々にありますが、「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」と歌にあるように、昔は月見といえばこの月を指してました。
昔の人にとりましては、秋の十五夜の月見は春の花見とともに最大の楽しみ事だったようです。

 今の時期は空気が澄み、月の光も明るく爽快。涼しさを感じる夕べに、秋草や露、虫の声などの取り合わせも良く、農作物の収穫時期とも重なり昔からこの日は特別な日だったようです。

 月見と言えば宮城県松島の月景色が有名で、東日本大震災で被災したものの被害は比較的軽微で、景観は健在のようです。
松尾芭蕉が「奥の細道」の冒頭で「松島の月先心にかゝりて(松島の名月がまず気にかかって)」と記した松島の月景色の素晴らしさは、14世紀初頭(鎌倉時代の後半)には中国にも知られていたと言います。

 中国ではこの日を「中秋節」と言って祝い、春節(旧正月)や端午節(五月五日)などと並ぶ伝統的な祭日となっております。
 ちなみに、中国の伝統的なお菓子「月餅」は、丸い形を月に見立てたお菓子で、中秋節に集まった家族や親しい友人たちとこのお菓子を食べる風習があります。
今でもこの時期になると月餅を贈り合うのが盛んで、職場等で配られたりもするそうです。