「火の用心」
 今から300年程前の江戸は、人口100万人を超える世界最大級の都市でした。
当時の家屋は木材と紙(襖や障子)で出来ていたため、ちょっとした火の粉が元で大火となることもしばしばでした。

 「火事と喧嘩は江戸の華」と言われたように火事は日常茶飯事でしたが、1657年1月18日に発生した「明暦の大火(振袖火事)」は死者数10万とも言われ、震災戦禍を除けば日本史上最大の火災となっています。

 明暦の大火があった旧暦1月18日は新暦でいえば2月下旬になりますが、現代でも今の時期は空気が乾燥しがちで、暖房器具の利用と相まって火災も発生しやすく、新聞やテレビなどでは毎日のように火災のニュースを伝えています。

 今日も多くの地域に乾燥注意報が発令されていますが、この注意報は木材の乾燥具合を示す実効湿度が50%以下、または1日の最小湿度が25%以下になると予想される場合に出されるもので、本来が火災に対する注意喚起です。

 また、空気が乾燥すればインフルエンザも広がりやすくなります。
患者数が基準を超えた東京都は昨日、インフルエンザの流行注意報を発令し、手洗いやうがいの励行のほか、乾燥しがちな室内での適度な加湿、換気の促進を呼びかけています。

 インフルエンザ、又火災が発生しやすい時期であることを認識の上、十分にお気をつけください。