「金目鯛」
最近は都市型の温泉施設が増え、「ちょっと温泉にでも」というのが以前よりも気軽にできるようになりました。
各地の温泉地には、お湯そのものの他にその地方の名産があり、それが楽しみの一つでもあります。

 例えば、伊豆方面だと今が旬の「金目鯛」。伊豆ではこの金目を使った料理をご当地料理として観光の目玉に据えており、刺身、握り、味噌漬け、しゃぶしゃぶ、茶漬け、鍋物等どれもおいしく、オーソドックスな金目の煮付けなどは「ほっぺたが落ちる」ほどの美味ですね。
かの地を訪れた際にはこれが楽しみの一つでもあります。

 「金目鯛」は見た目も華やかで、マダイの代用として「祝い魚」としても饗されることがあり、大安吉日の日には値段があがることでも知られていますが、近年は築地でも天然のマダイやヒラメを上回る高値がつくことが珍しくないそうです。
水揚げの減少やブランド化による需要の増加等で、5年前と比べて平均して3割以上高い値がついており、大衆魚だった金目鯛も今は高級魚になりつつあります。

 処で、扁平で大型で赤っぽい体色、白身などの特徴を持つ魚は「○○ダイ」と名がつくことが多く、その数はざっと200種類に及びます。

 その中でも本当にタイ科の魚というのは「真鯛」や「黒鯛」など10数種類に過ぎず、それ以外の金目鯛などは俗に言う「あやかり鯛」の一つなのですが、その味の実力は真鯛に引けをとりませんね。