「お歳暮」
 12月13日は、昔から一年の締めくくりとして、または新年を迎える準備の「事始め」とされており、日頃の感謝を込めて贈るお歳暮も大体その頃に届くのが目安とされています。

 最近のお歳暮に関する調査では、景気の悪化を背景に平均予算は減少したものの、「今年お歳暮を贈る予定がある」と答えた人は全体の約6割に達し、ここ数年低迷していたお歳暮に復調の兆しが見えるそうです。
其の復調のけん引役は60代以上の高齢者で、定年後も働き続ける人が増えていることや、さらにその親の世代も達者で長生きする例が多くなってきていることから、高齢者がその両親や仕事関連の人にお歳暮を贈るケースが増加していることが背景にあります。

 ところで、お歳暮で思い出すのは藤尾英昭氏がその著書で紹介していた話です。
新聞の読者覧に掲載されていたそうですが、以下にてご紹介させていただきます。

「自分の両親は朝から晩まで一所懸命に働いたが、暮らしは貧窮のどん底だった。
自分は子供のころ、両親がこんなに働いても貧しいのは、きっと、世の中、つまり社会の仕組みが悪いからだ、と思っていた。

やがて、自分は親元を離れ、結婚して家庭を持ち、子供も生まれた。
自分は毎年、両親へ御歳暮と御中元を欠かさなかった。
しかし、口頭でも手紙でも、両親から一度もお礼の返事をもらったことはない。

 いま自分は思う・・・。

両親があんなに働いて貧乏から逃れられなかったのは決して世の中が悪いのではなく、両親が人間的に未成熟だったからだと」

 人生において大切な何かを教えてくれているようです。この話を紹介した著者は言います。
「幸不幸の状況は、その人の受け止め方ですべて違う現実を作り出していく」のだと。

編集 yattyan : ”親しき仲(たとえ親子でも)にも礼儀あり”でしょうね。
編集 十六夜 :  このお話。。とても 胸に染み入ります。