「北京五輪」
 ANA(エー・エヌ・エー)は2003年に、それまで「全日空」だった公式呼称を「ANA」に変更してますね。
実際には今でも「全日空」や「アナ」と呼ばれているのですが、「全日空」は中国語で「一日中空っぽ」という意味にとられるからというのが変更理由の一つだという話を耳にしたことがあります。

 同じ漢字を共有しながら中国語と日本語では、意味が異なるケースが多々あります。
中国語で「手紙」といえばトイレット・ペーパーであり、日本中いたるところにある温泉施設の「湯」というマークは中国語ではスープの意味。
バスの車内に貼られた「毎度ご乗車有難うございます」の言葉は、中国人が漢字だけ拾って読めば「乗車のたびに難に遭う」となるそうです。

 また、オリンピックを表す「五輪」という言葉は日本以外では通じず、中国語でオリンピックは「奥林匹克運動会(アオリンピークユンドンフイ)」、略して「奥運(アオユン)」と言います。
「奥運」と名付けられた今年生まれのオリンピック・ベイビーはすでに4千人を超え、8月8日の開会式当日に生まれるように計画をたてている親も多いそうです。

 普段英語を使うことの少なかった北京では、英語の速習が盛んになっているそうですが、「滑らないようにご注意」との注意書きを「Careful of landslide」(地滑りにご注意)、「少数民族公園」は「Rasist Park」(人種差別主義者の公園)となっていたケースもあったようです。

 北京オリンピックのマスコットは幸福をもたらす子供の意で「福娃(フーワ)」と名付けられ、パンダ(木を象徴)、聖火(炎)、ツバメ(空)、チベットカモシカ(大地)、魚(海)がモチーフとなっており、中国古来の五行の意も含み、本来の中国名を並べると「北京歓迎(ようこそ北京へ)」になるという工夫もされています。

 これらのマスコットの英語名は当初、友好の象徴として「Friendlies(フレンドリーズ)」と名付けられましたが、「フレンド ライズ(友達が嘘をつく)」あるいは「フレンドレス(友達がいない)」と聞こえる畏れ有りとして急遽「Fuwa」に変更されたそうです。