白露
今日は、二十四節気の第十五、白露。大気が冷えて来て露が出来始める頃。
秋の気配が濃くなり野草に白露が宿るとの事。

野には薄の穂が顔を出し、秋の趣がひとしお感じされ、
朝夕の心地よい涼風に幾分の肌寒さを感じさせる冷風が混じり始める。

白露はあくまでも暦の季後で、実際は夏が終わり秋の始まりという感じで、
実際に日中は30度前後の暑さが戻ってきた。

さを鹿の朝立つ野辺の秋萩に玉と見るまで置ける白露。-大伴家持
牡鹿(おじか)が朝に立っている野の秋萩に、
玉のように美しい白露がついている。

万葉集で詠んだ歌があるように、白露は露が玉のように輝く様子を言う。
十五夜も近づき、月の光を見る度に遠きあの日を思い出す。

あの月灯りの夜に電車賃を浮かせる為、父と自転車に乗って
「こんな生活は嫌だわ。」文句を言っては父を困らせていた。

すると父が遠慮をするので身体の丈夫な父でも背中が小さく見えて、
私より父の方がずっと辛い事に気付いた。

三つ子の魂百までもという言葉通り、幼い頃から小学生頃までは、
お手伝いさんが居て何不自由なく育った経験が私の我儘な性格を作った。

23才頃から辛く苦しい経験をしていく過程で考えも変わったと思う。
それでも父の我慢強さにはかなわない。

最近は、夜道を歩く度に煌々と光る月やきらきら輝く星が奇麗だと
眼を見張る。今なら父にもっと優しく出来たのに、もう遅い。