中秋の名月
今日は、6年ぶりの満月の十五夜になるらしい。
十五夜と言えば満月を思い浮かべるけれど必ず満月とは限らない。

旧歴8月15日を十五夜、中秋の名月と言う。

幼い頃は、庭先の廊下に御団子やススキが飾ってあり、
虫の音を聞きながら母と十五夜を見た想い出がある。

十五夜を見る為に夜の町に散歩に出かけた。
丸い丸い大きな満月がぐっと私に近づいてきた。

お月さま、主人の居る場所を照らしてね!
すると月が、「どのあたりを照らせばいいのかな。」と私に聞いた。

「大阪か京都あたりを探してね。」「探しても判らない。」と答えて、
段々、空高く移動し自慢そうに堂々と浮かんでいる。

別に主人の事等どうでも良かった。
月は、神秘的で静寂すぎる夜にいっそう寂しさを感じさせる。

山々も透明な河の水も月の光が美しい色に写り変わり、
夜の町を歩く私の影がどこまでも付いてくる。

十五夜お月さん、ごきげんさん、ばあやは おいとま とりました。
十五夜お月さん、妹は 田舎へ もられて 行きました。
十五夜お月さん、かかさんに もいちど 私は 会いたいな。

ばあや、妹、かかさん、野口雨情の心情が伝わるような言葉、
詩がちょっと寂しすぎると思うけれど、昔の人は素朴だった。