Oh how useless seem
 最近、ある小説の話の筋をよく思い出します。

 あるところにそんなに賢くも金持ちでもない若者がいて、彼は自分と親しい二人の女性のうちどちらかを付き合う相手として選ぼうか迷ってました。
 女性の一人は女学校に通うフランス語にも堪能な学才溢れるお嬢様で、もう一人は健康美溢れる下町の娘でした。
 お固くて真面目なお嬢様と豊かな肢体を持つ下町娘のどちらも選びかねた彼は、自分が一番興味がある事に一緒に付き合ってくれた方、下町の娘さんと付き合う事にしました。

 彼が其の時一番興味を持っていたのは性行為。結局のところ、その男が求めていたのは女性の体だけ。
 安易に女性を知りたかっただけで、相手と一生付き合う気は無かった彼は、下町娘を選んだ次の朝に自分の考えの甘さを思い知らされます。
 もうすっかり男のところに嫁入りするつもりになった娘さんが親とともに家財道具を男の部屋に持ち込んできていて、強面の親父さんにびびった男は何も言えずに結婚まで傾れ込まれてしまうのです。

 これは確か井上ひさし氏の小説だったと思います。
 小学校の頃に読んだのでいまいち記憶が曖昧なので細かい所は違うかも知れませんが、大体こんな感じ。
 ここ数日ぼーっと考え事する度にこの小説を思い出すんですよ。
 何故だろう。