続・幼馴染
 何と無く、久し振りに母親と顔を合わせたので「ゴー君(仮名)俳優になってたみたい」と云ってみました。
 「ゴー君って誰?」といぶかしむ母に「ほら、■■に住んでた○○ゴー君(仮名)。よくうちにも来てたあの色白のゴー君(仮名)。」と細かく言ってやっとどのゴー君(仮名)か判って貰えました。
 「ああ、そんなのも居たわねぇ。」とやっと思い出してくれた母は、其の後暫く幼い頃のゴー君(仮名)が仕出かした悪戯や行動にどれだけ迷惑したのか語ってました。顔は綺麗なのにやる事は悪魔みたいと近所の奥さん方に有名でしたからねぇ、ゴー君(仮名)。勝手に他人の家に上がりこんで冷蔵庫開けてお菓子を食べたり、家来にしてた子に命じて車や民家に石を投げさせたり、本当に色々やってましたからねぇ。
 でも、ゴー君(仮名)に迷惑かけられてた近所の奥さん方が愚痴を言いながらもゴー君(仮名)の我儘に付き合ってお菓子作ってあげたり遊んであげたりしてるのを僕は何度も見てました。奥さん方は彼の仕出かす悪戯の殆どに目を瞑って本人に少し注意する程度で止めてました。
 何やかんや言いながら奥さん方の殆どはゴー君(仮名)のファンになっていたのです。今でも、俳優になったゴー君(仮名)関連の情報収集してる奥さんも居るそうですよ。

 あんなに迷惑被ったのに僕の母はゴー君(仮名)の事を僕が説明するまで思い出さなかったのでゴー君(仮名)本人も地元の知り合いの事なんて覚えて無い事でしょう。
 でも、母みたく説明したら思い出してしまうかも知れ無いので用心せねば。