一窮不通
 「昨日しか巧くなってるとは思う」と最近ほぼ毎日岐阜に住むある人に言われます。
 岐阜で育ち岐阜弁に慣れ親しんだ僕ですが、「しか」なんて岐阜弁知りません。
 其の人に「何か質問したい事はある?」と訊かれる度に「『しか』って何ですか?」と訊きたくて仕方ありません。質問してしまえば相手の機嫌を損ねるのは判り切ってますのでいつも「いえ、特に無いです。」と返事してます。
 岐阜で育ち岐阜で就職した人で二十代から四十代の年齢の人は、岐阜弁は殆ど標準語と同じだと思っている人が多いみたいです。だから、方言だと想って無い言葉について其の言葉の意味を問われると馬鹿にされているのかと思って怒る人が多いんですよ。僕は自分が知らない方言を話す岐阜人に接した時は出来るだけ相手に言葉の意味を訊き返さずに聞き流すようにしてます。
 けど、こうも何回も「しか」を云われると気になります。
 なんなんでしょうかねぇ、「〜しか」って。「〜より」って意味だと解してますけど、合ってるんだろうか。

 ってか、同じ建物内に居る筈の母に「しか」について訊こうと思って家中探したところ、客間やかつて僕が使っていた物置部屋や書斎が妙に綺麗に片付けられているのに気付きました。
 片付け下手な母やお手伝いの人がやったとは思えないので、恐らく余りの惨状を憂いた伯母が片付けてくれたのだとは思いますが…物置部屋には僕のヴァイオリンや書籍や(幼い頃の)下着なども在った筈なのに見当たらず。ヴァイオリンだけならいいけど、黒魔術系の資料ばかりの書籍や捨てるか捨てまいか迷った挙句に放置してた下着類までもを伯母が見てしまったかと思うと…。
 ちょっと伯母に顔が合わせ辛いです。